Q&A

遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることはできません(民法975条)。遺言は、遺言者の自由意思に基づいて作成されなければならず、共同遺言では、一方の意思による遺言内容の変更や遺言の取消といったものが困難になるおそれがあるからです。よって、夫婦で互いに全財産を相続させる内容の遺言でも、それぞれ独立した遺言を作成する必要があります。

成年後見制度の利用が考えられます。成年後見制度は、認知症などにより判断能力が不十分となった方のため、裁判所が選任した後見人等が本人の生活を支援する制度です。本問の場合、弟さん又は第三者を後見人候補者として後見開始の申し立てをすると良いと思われます。後見人は年1回程度、裁判所に対し収支報告を提出しなければなりませんので、使い込み等の横領を防止することが期待できます。また、親族間で争いがある場合には、司法書士や弁護士といった第三者を後見人とすることも有効です。ただし、この場合には後見人の報酬が発生するので、それなりの財産があることが前提となります。

本問の場合、相続放棄をすれば支払いをする必要はありません。故人の負債が多い場合、相続放棄の手続きをするのが一般的です。しかし、相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内にしなければならないと民法で規定されています。では、ご質問のように3ヶ月経過したのちに借金があることが判明した場合は、相続放棄はできないのかというと、そんなことはありません。相続の開始があったことを知った時とは相続財産の全部又は一部の存在を認識したときから起算するため、本問では請求書が届いたときから3ヶ月以内に相続放棄の手続きをすればよいのです。ただし、相続財産を処分している場合は、相続放棄をできないこともあるのでご注意ください。

まず、不動産の名義変更と相続税の課税とは直接の関係はありません。相続税は、故人の財産の総額が一定の金額を超える場合に初めて納税義務が生じます。申告期限は、相続開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。したがいまして、不動産の名義変更をしていなくても納税義務は生じますし、名義変更をしたからといって課税されるものでもありません。なお、不動産名義変更の際には、登録免許税という別の税金が課税されますのでご注意ください。

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