司法書士・税理士 高柳俊久の相続・遺言・成年後見業務日誌

コラム2回目

江東西法人会の機関誌「ほうじん深川」に掲載された2回目のコラムです(だいぶ前になってしまいましたが・・・)。
今回は成年後見に関する内容です。
写真では読みにくいと思いますので、文章を転載します。
 
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高齢化社会における知って役立つ法律知識(2/2)
 
連続コラムの第2回目です。前回は相続トラブル回避に役立つ遺言を中心にご説明をいたしましたが、今回は成年後見制度を中心にお話をいたします。
1.成年後見制度の概要
 成年後見制度は、精神上の障害により判断能力が不十分となった場合、権利擁護者(成年後見人等)が財産管理や身上監護を行い、本人の生活を支援する法律上の制度のことです。
 この制度が身近でかつ最も多く利用される場面は、認知症高齢者に対するものです。
2.認知症高齢者の現状
 現在、認知症の高齢者はどの程度存在するのでしょうか。平成25年の厚生労働省の発表によりますと、65歳以上の高齢者のうち、認知症の人は推計15%であるとし、平成24年時点で約462万人、また、認知症になる可能性がある軽度認知障害の高齢者も約400万人いると推計されます。
3.成年後見制度の種類
 成年後見制度には、大きく分けて、法定後見制度と任意後見制度の2種類があります。
(1)法定後見制度
 法定後見制度は、認知症高齢者・知的障がい者・精神障がい者等、現に判断能力が低下している方が利用する制度です。法定後見制度は、判断能力の程度に応じて後見・保佐・補助の3類型に分類されます。3類型のうちどの類型に属するかは、診断書・面談・鑑定等を基に、最終的には家庭裁判所の審判により決定されます。
(2)任意後見制度
 任意後見制度は、現在の判断能力には問題がないが、将来、自分の判断能力が衰えたときに備え、予め信頼できる人物(任意後見人)を代理人として選任しておき、その人と支援内容(代理権の範囲等)を事前に契約で定めておく制度です。任意後見制度は、契約によって支援する内容を決めることができるので、自己決定の尊重という成年後見の理念を生かすことのできる制度です。
4.注意すべき点等
 成年後見制度には、意外な落とし穴があり、知らずに利用を開始するとあとで後悔する場合があります。多くの方が勘違いしている点や注意すべき点を次に記述します。
①必ずしも親族が後見人になれるわけではない
 親族を後見人候補者として申立をしても、必ずしも希望通りになるとは限りません。親族間に意見の対立があったり、預貯金の額が多い場合には、司法書士等の専門家が選任される可能性があります。
②原則として、毎年裁判所に財産目録と収支報告を作成して提出しなければならない
 成年後見人等に就任した場合、思いのほか手間がかかるのが書類の作成です。常日頃から領収書を整理し帳簿づけをする必要があります。
③後見制度の利用を途中で止めることができない
 例えば「遺産分割協議をするため」又は「保険金を受け取るため」に成年後見制度を一時的な感覚で利用する方がいます。しかし、これら目的が達成されたとしても成年後見制度の利用を止めることはできません。一度、後見人が選任されると、その決定を取り消すためには、本人に判断能力が戻る等の理由が必要です。そのような理由がない限り、後見業務は、ご本人が亡くなるまで続くのが原則です。
④資格制限等がある
  後見開始・保佐開始の審判を受けると、医師・司法書士・税理士等は登録が取り消され、会社役員・公務員等もその地位を失います。また後見開始の審判を受けると印鑑登録もできなくなります。
⑤相続税対策等には使えない
 成年後見制度は本人の権利擁護・財産管理等のための制度であり、本人の財産は本人のために使うことが大前提となります。
 相続税対策を目的としたアパート建築等をするため、成年後見制度を利用したいとの相談を受けることがありますが、これは原則的には認められません。相続税を軽減させる行為は推定相続人の利益であり、本人のためという成年後見制度の趣旨に反することになるからです。
5.最後に
 上記のとおり、成年後見制度はある意味柔軟性に乏しく、必ずしも全ての人にとって使いやすい制度ではありません。利用に際しては専門家に相談する等して十分に検討する必要があります。

コラムが連載されます!

江東西法人会の機関誌「ほうじん深川」にコラムが連載(といっても2回だけ)されます。
初回は遺言に関する内容を書きました。
写真では読みにくいと思いますので、文章を転載します。

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高齢化社会における知って役立つ法律知識

 現在の日本は、超高齢化・少子化社会といわれています。その影響もあってか、最近の相続の現場では複雑な案件が増えているように感じます。相続等の身近な法律問題について相談を受けることが多い司法書士の立場から2回にわたり、高齢化社会における知って役立つ法律知識として、相続トラブル回避に役立つ「遺言」と、今後ますます需要が増加するであろう「成年後見」を中心にお話をいたします。
 
1.遺言の種類(方式)
 遺言とは、遺言者が自己の死後に一定の法的効力を発生させる目的で、一定の方式にしたがって作成する文書をいいます。
 遺言は、法律で厳格な方式が要求され、これに違反した場合には、原則として無効となります。
 遺言の種類は、特殊なものを除き普通方式として自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類ありますが、自筆証書遺言または公正証書遺言で作成するのが一般的です。
 
2.公正証書遺言の優位性
 自筆証書遺言と公正証書遺言を比較した場合、次のような違いがあります。
 自筆証書遺言は、気軽に何度でも書き直しをすることができるメリットはありますが、方式違反で無効になる可能性、他人に破棄・隠匿・変造される恐れがあり、これらが新たな相続トラブルの原因になりかねません。また、遺言者死亡後に家庭裁判所へ「検認」の申立てをする必要があり、相続人に面倒な手間を残すことになります。
 これに対して、公正証書遺言は、書類作成の費用負担が生ずるものの、先の自筆証書遺言におけるデメリットを克服することができ、遺言者死亡後の面倒な「検認」の手続も不要になります。
 このような優位性もあり、その作成件数は年々増加しています。平成25年に作成された公正証書遺言は9万6020件と10年前に比べて1.5倍になっています。
 ただし、公正証書遺言を作成する場合には証人2人以上の立会が必要であり、この証人には推定相続人や受遺者等はなることができません。もし証人として適当な人物がみつからない場合には、公証人やお付き合いのある司法書士・税理士等の専門家に相談してみると良いでしょう。
 
3.遺言を作成しておいた方が良いケース
 次に掲げるケースは相続の際に問題が発生する可能性が高く、遺言を作成しておくとトラブル回避に有効となります。
①相続人が一人もいない場合
②子供のいない夫婦の場合
③内縁の妻又は夫がいる場合
④事業承継者に株式・事業用財産等を相続させたい 場合
⑤障害をもつ子に多くの財産を残したい場合
⑥先妻の子と後妻の子がいる場合
⑦事実上の離婚状態にある配偶者がいる場合
⑧推定相続人の中に行方不明者がいる場合
 
4.遺留分への配慮
 遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に保証された相続財産に対する一定割合の権利のことです。
 遺留分を侵害する遺言も無効ではありませんが将来における紛争の種を残すことになりますので、できるだけ遺留分に配慮した遺言を作成することが望ましいでしょう。
 
5.エンディングノートの活用
 遺言類似のものとして最近注目を浴びているのがエンディングノートです。エンディングノートは遺言と異なり法的な効力はありませんが、手軽に作成することができ、活用の範囲が広いのが魅力です。例えば介護・医療・延命治療など生前の希望を書いておけば、いざという場面で本人の希望を叶えることができ、関係者を悩ませることもありません。
 このエンディングノートは、遺言と競合するものではありません。財産上・身分上の法的効力の発生を要するものについては遺言を作成し、先の介護等の生前の希望、葬儀・お墓に関しての希望、財産目録、家族・友人へのメッセージ等は、いつでも書き換え可能なエンディングノートに記入しておき、遺言と併用する方法も有用でしょう。

相続セミナー開催(2014/7/23)

「知っててよかった!! 相続まわりの法務と税務の基礎知識」と題して、銀座の家族葬専門の会館におきまして小1時間ばかりの相続セミナーを開催しました。
法務から税務まで本来は1時間ではとても話しきれない内容を詰め込み、広く浅くの内容でしたが、皆様真剣に聞いてくださりました。

永代供養塔

今日は、日曜日ですが成年後見人としてのお仕事をしています。私が成年後見人として見守っている女性の配偶者が昨年亡くなり、本日、そのお骨を永代供養塔に安置しました。この永代供養塔を見つけるまでは、とても大変でしたが、相続人の方の協力を得て結果的にとても良い場所を見つけることができました。将来的に被後見人がお亡くなりになった場合には、ここで夫婦一緒に永代供養をしてもらう予定になっております。子供がいない、お墓を継ぐ人がいない等の理由で、このような永代供養のための施設は増えてきていますが、まだまだ不足していると思われます。ここもだいぶ予約で埋まってきているようです。

振り込め詐欺?

今日は、成年後見人として銀行預金の引出手続きをしたのですが、銀行員に引き出した資金の使途について説明を求められました。少々高額の引出だったので仕方ない面もありますが、その理由は振り込め詐欺防止のための確認ということでした(^^;
マニュアル・規則で色々と聞かなければならないのでしょうが、こちらは専門職後見人(プロ)だし、そんなに年も取っていないし・・・・と思いましたが、「最近は若い人でも振り込め詐欺に引っかかるので、念のためお尋ねしました。申し訳ございません。」だって。しかし、若い人も引っかかるとは、本当なのか??

某信託銀行

今日は後見制度支援信託の信託契約をするため、某信託銀行へ。事前に予約をしているのでスムーズに手続が完了しました。ここは都内某所にある営業所ですが、いつ来ても重厚な雰囲気に圧倒されます。柱もとても立派です。

御布施? 料金?

今日は、後見人として、被後見人の配偶者の一周忌を被後見人に代わって執り行いました。
予定時刻より早めに寺についたので休憩室で休んでいると、「○○様ですね。こちらにご記入願います。」と一枚の紙を渡された。
紙は法要の申込用紙のようだ。ところが、よく見ると一周忌と書いてある脇に複数の金額が記載されており、そのうち50000円部分が丸で囲まれていた。なんと、御布施の金額が指定されているのだ!!

一般的に一周忌の御布施の相場は、3万~5万とされているようなので決して高いわけではないのだが・・・・。御布施にいくら包んでよいか分からない人が多いので、たぶんそのようなシステムにしたのかと思うが、なんだか釈然としない。これからは、お寺もビジネスとして、料金が明確化していくのでしょうか。

ちなみに私が御布施として予定していた金額は、御布施3万円+御車代・御膳料1万円でしたので、予定額より多く支払う結果となりました。


 

東京家裁、簡裁でも手荷物検査が開始

今日は、後見信託の受託をするため、久しぶりに東京家裁の後見センターに行きました。家裁の入口に行ってみると・・・やってました、手荷物検査。情報では知っていましたが、平成25年10月1日から、ついに東京家裁、簡裁庁舎の入口でも検査を実施することになったようです。東京地裁・高裁の入口では、以前から手荷物検査を行っていましたが、家裁・簡裁の庁舎では実施していませんでした。
司法書士は家裁・簡裁の庁舎を利用することが多く、高裁・地裁の庁舎と比べて穏やかな雰囲気なので個人的には気に入ってましたが、少し物々しい雰囲気に変わってしまって残念です。今日は、比較的すいていましたが、時間によっては利用者が列を作ることあるでしょう。ちなみに司法書士・弁護士はバッジをみせれば、フリーパスで入れます。一般の方々、ごめんなさい。

江東区役所の無料法律相談の相談員

今日は、江東区役所の無料法律相談の相談員として参加しました。会場は区役所7階の74会議室で、5名の司法書士相談員で対応しました。相談内容は相変わらず相続に関するものが多く、中には悩ましい案件もあり、相続の難しさを再認識させられました。本日は16時まで合計29人の相談者のご相談に応じました。

大阪へ出張

相続案件ではありませんが、不動産取引の売主の本人確認のために大阪へ出張。
滞在時間は1時間くらいで急いでとんぼ返りです。 
司法書士は不動産取引の当事者と面談して意思確認をする義務があるので、当事者が決済日に来られない場合には、事前に本人確認をすることがあります。
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